2016年7月30日土曜日

Chrisicharch(24/11/2013)

ファンタスティックなGolden Bayの2つのGreat Walksを攻略したところで、相棒のEmiさんがご用事で日本に帰国の日と相成りました。Nelsonで1泊後、Christcharchまで南下。空港にお送りしてBye×2です。10/7に車旅をスタートさせてから1か月半。ホントに山歩きばっかりだったけど、足の強いEmiと一緒で心強かったし楽しかった☆ またいつか、世界のどこかで、maybe...
この日はクライストチャーチに1泊して、御用事でクライストチャーチに出てきている元ルームメイト、料理人Momoを、次の日に同じ空港前でピックアップする予定です。先輩方を乗せるために借りていた大きめの車を、空港近くのレンタカーショップに一旦返却。クイーンズタウンまで私とMomoが帰れればよしと、小さめ&古め(=安い)の車を借りなおして街の中心へ向かいました。

2011年2月22日12時51分、クライストチャーチ近郊のリトルトン付近でMw6.1の地震が発生。185名が死亡した惨事は、その犠牲者の中に日本人28名が含まれていたことから日本でも大きくとりあげられました。(その約3週間後に起きた東日本大震災によってかき消されがちとなってしまいましたが…)
クライストチャーチは、言わずと知れたNZの首都。緑溢れる街並みから“イングランド以外で最もイングランドらしい街”と称され、市内には740を超える公園が設置され「ガーデンシティ(庭の街)」の異名を持つ街です。首都とは言え人口は3万4千人程度。東京都北区と同じくらいのこじんまりとした街です。NZに入国するときもオークランド乗り換えだったので、私にとってはクライストチャーチ初上陸です。
そもそも、地震の実被害の規模について多くの知識を持っていなかった私は、地震から2年半という年月を、正直甘く見ていました。。。街の中心に近づくにつれ、何だか様子がおかしい。そこかしこに、工事中の鉄柵に囲まれたほとんど手つかずの更地や、半壊のまま放置された建物が現れます。3.11の数か月後に、南三陸へボランティアに行った時に見た光景とどこか重なります。
車を停めて歩き回ってみても、南島一の観光都市とも言われる場所とはとても思えないほど人通りも少なく、ややもすると重苦しいような気分になってきます。あとで知ったことですが、クライストチャーチの約70%もの建物が、立て直しや修復の必要があるほどにダメージを受けたのだそうです。これまでに見てきたNZのあちこちの自然があまりにperfectだったせいか、人工物が圧倒的な力で崩壊したunperfectな様が余計に胸に迫りくるというか…。
人もお金も潤沢に使える日本とは違い(日本も借金大国ではあるけれど)、産業や資源に乏しく人口も少ないNZがこれだけの被害を早急に復旧させるのは並大抵ではないという事実が、まさにそこにありました。
左の写真は、クライストチャーチのシンボルだった大聖堂。1904年に建てられた、信仰と観光の拠点でした。手前の崩れたがれきの部分には高さ63mの尖塔が建っていましたが崩壊。そのほかの部分も大きく崩れており、莫大な修繕費の試算が出され、解体が決まりました。聖堂の前に積まれた石の一つ一つには、犠牲者へのメッセージが書かれています(右の写真)。

そのあとは巨大スーパーで買い出しをして、マックで夕飯と歯磨きを済ませ、公園の駐車場で車中泊。Emiさんとの旅の思い出や、この日見たクライストチャーチの街並みを思いながら、久々に一人で過ごす夜。色々と思うところはありながら、私のボキャブラリーではどう言葉にしても嘘くさく不誠実なものになってしまいます。まあ、言葉にできない感情も大切に。

2016年5月16日月曜日

Abel Tasman Coast Track -3- (22、23/11/2013)

3日目は13㎞の4時間半コースです。時間的余裕はたっぷり。
とはいえ、スタート地点のAwaroa Inletは干潮の前1.5時間と後2時間の間しか渡ることができない入り江。しかも迂回コースなし。ギリギリ遅めに粘っても、7時スタートとなりました。
時間制約の渡りなんて、なんだか七夕の織姫と彦星のよう☆ 
…まぁ、向こう岸に待ち人がいるわけじゃないですけどーーー。

昨日同様、所々満ちてきたところはひざ下まで濡らしながらの横断。私、今回はKeenのサンダルだけで登山靴を持参しませんでしたが大正解です。登山靴の脱いだり履いたりは結構手間なものです。(サンダルの穴の形くっきりに日焼けしましたが)
その後は、今日も丘歩きと海歩きのリフレイン。緑豊かな丘をウンショと登り、次の入り江の全貌を見渡し、浜辺へ降りて海風を感じる。。。ただそれだけですが、それだけで十分。 くたびれたら靴を脱いでのんびり昼寝。至極のひと時です。

そして、時々、Weka。時々、Pied Shag(マミジロ鵜)。時々、Fur Seal(オットセイ)。


この国にいると、人間と自然が同じ側にいるような感覚を覚えます。日本では(少なくとも私がこれまで暮らしてきた生活圏では)、隔絶とまでは言わずとも、ヒトと自然との間には距離があって、自然というのはわざわざ出かけて行くものだったなと。それがここでは、彼らは人を必要以上に恐れず、ときに興味を抱いて覗き込み、自ら近づいてくることすらあるのです。都会の便利さは確かに捨てがたい部分もありますが、こんな風に心に染みわたる安心感や満足感を与えてくれることはないなぁ、なんて思ってしまいます。
途中、町からも車で来れるキャンプサイトの中を通り過ぎ(この辺りはちっちゃい子供を連れた家族連れもちらほら)、1hほど寄り道になるのですがSeparation Pointというなかなか絶景な岬へ立ち寄り、3泊目の山小屋Whariwharangi Hutに到着。
実はこの山小屋、ゴールまであと5.5㎞、1時間半ほどの距離の所にあるんですが、ゴール地点のお迎えバスの時間の都合で泊まらざるを得ないという立地なのです。ゆっくり来たのにまだ14時過ぎ。早くゴールしてシャワーを浴びたい気もしますが、とりあえずお泊りです。
周囲を探索して、Wekaと遊んで、もう一人の宿泊人とおしゃべりして(お茶目なこの一夜の道連れは、日暮れ時にWekaを捕まえてくる!と藪に入り、見事取り逃がして蚊に刺されまくって帰ってきました 笑。てか、つかまえちゃダメだし。)、満天の星を拝んで、やっぱり泊まりで正解だったかなと思いながら、ホクホク寝袋に入りました。。。

最終日は200mほどの高低差を登って降りて、Abel Tasmanの全行程を終了です。すべて天気にも恵まれて、さいっこうの景色の中、気持ちの良い4日間でした。

2015年12月14日月曜日

Abel Tasman Coast Track -2- (21/11/2013)

2日目は、朝イチの干潮をねらって7時前にHutを出発です。本日も、晴天なり。
Hutから一山越えたところに広がるTorrent Bayは、干潮時にはほとんど水が干上がり、10分ちょっとで横切ってしまうことが可能です。これを、大回りしていくと2時間かかるという…。もちろん、季節によって、日によって面白いですよね。まさに、self buildingなハイキング。
所々、ちょっと満ちてきたところはジャブジャブ渡りながら、貝殻で埋め尽くされた干潟を闊歩。
NZで山歩きを始めてから、こうして水たまりを突き進むことが快感になりつつあります(笑)。

そしてなんと、干潟の先に別荘地出現!おそらくここへは道路(車道)は通っていないはず。 Trackを歩いてくるか、船で入り江につけるかしかないと思われます。住むにもアクセスにも不便、あるのは鬱蒼とした亜熱帯林と広大な空と海の背景と鳥のさえずりのBGM。。。きっと、本当の贅沢を知る人たちなのでしょう。その、お金と時間と心のゆとりがうらやましい限りです。。。
コンコンと流れるあまりに透き通った小川、地上43mの吊り橋、次々に開ける美しいビーチ…。歩み進める程に変わりゆく風景は、トランパーを飽きさせません。この辺が、人気ルートたる所以なんででしょうね。
いくつもの後ろ髪ひかれる風景を後に残しながら進んでいくと、眼下におしゃれな人工物発見。あとから調べてみると、Awaroa Lodgeという4つ星ホテルでした。大自然に囲まれた贅沢な時間を、新鮮な季節の野菜と海の幸とともに…的なコンセプトのロッジ。結婚式なんかもできるようです。(もちろん徒歩かボートでのアクセスしかありません)時間はたんまりあったので、寄ってみてもよかったのですが、行き帰りで結構なアップダウンがありそうだったのと、見るからに高級そうな佇まいにヒヨってそれ以上近づくのをやめました。こちとらどーせビンボーとらんぱーですよー、と心の中で毒づきながら…(笑)。
 
最後は、ほぼ海中に沈んだルートをじゃぶじゃぶ進んで、本日の宿Awaroa Hutに到着。このコースを踏破するにはハイキング用サンダルが必須アイテムですね。道しるべのために、途中いくつかオレンジの反射板がたっています。(次の目印があまりに遠すぎて見つからないこともしばしばありましたが…。)
この日の行程は19.8kmの7時間コース。(間のBarkBayというところで1泊挟む行程も王道ですが、そこはすっ飛ばすことにしました) さすがに出発が早かったので、途中小1時間の昼寝休憩を挟んだのに14時に着いてしまいました。まだまだ歩けそうな気分でしたが、この先は干潮にならないと進めないルート。陸を行く迂回路もないのでここで足止めです。三々五々到着するトランパーとおしゃべりしたり、本を読んだり、うとうとしてみたり。。。テレビもラジオもない、ガスも電気もない、(あるのは雨水をためた水道だけ)にも関わらず大いに満ち足りた時間が流れます。
 
着いた時にはHut前に遠浅の海が広がっていて(↓左)、レンジャーのおじちゃんに、さぁ早く水着に着替えて泳いでこんかい!!と何度もけしかけられましたが、その数時間後にはすっかり干上がってこの通り(↓右)。