2015年6月13日土曜日

Heaphy Track -1- (15/11/2013)

最初のターゲットはヒーフィートラック。Great Walksの中で最長距離を誇る所要4~5日のトラックで、スタートとゴール地点が一般道路で463㎞も離れているという不便さからか比較的挑戦者は少ないようですが、海沿いの村を出発して徐々に高度を上げ、湿原や高山植物、緑深い原生林を抜けていく変化に富んだコースです。
 
距離:78.2㎞ 標高差:1024m 行程:3泊4日
Profile of the Heaphy Track.  
私たちは、車をゴール地点まで移送してくれるサービスを利用することにして、当日の朝7時、指定された場所まで行ってみると、そこにはごくごく普通の農家が1件。そこからひょこひょこ出てきてくれたのは、笑顔のかわいいガリガリのおじいちゃん。このおじいちゃんが、息子と一緒に農業のサイドビジネスとして車移送のサービスをしているようです。そしてよくよく話を聞いてみると、なかなか複雑な、しかしよくできたシステムの様子。


 
Step1  おじいちゃんが、私たちを460㎞先のトラック入り口まで車で送ってくれます。この時に使う車は別のお客さんの車で、このお客さんは私たちのゴール地点から逆ルートで前日に出発しています。
 
Step2  私たちは、3泊4日でトランピングをスタート。おじいちゃんは、同じコースをなんと1泊2日で歩いて、私たちを送るのに使った車のカギを 持ち主のお客さんにコース上で手渡します。

Step3  一方、おじいちゃんの家に置いた私たちの車は、車を持たない別のお客さんがゴール地点まで運転してきてくれて、カギはこれまたコース上で私たちのところに戻ってくる。
 
ご理解いただけました?こんな風にタイミングよく移送の予約が入ると、とんとん拍子で移送代金が安くなるようで、私たちは長い距離を何とたった$50でやってもらえちゃいました。
さて、そんな訳で6時間かけてスタート地点に到着。(モーニング休憩や、別のお客さんに頼まれたというバースデーケーキを調達したりと、、、客を乗せているとは思い難いほど自由すぎる寄り道を含む)

 
2pm、トランピング開始です。
初日は、Hump Ridgeを彷彿とさせる海岸線の平坦コース。
歩きやすいコースな上に、スタートの時間が遅くなったので、自然と早足になります。これまでのいくつかの山歩きを通して、私たちのゆっくりペースで3㎞/h、通常ペースで4㎞/h弱、早足で4~5km/hというのが分かってきたので、今 自分たちがどの辺りを歩いているのか、あと何キロくらいで到着するのかの予測がつきやすくなりました。さすが南島最北端と言うべきか、植物がこれまでのトランピングコースに比べて亜熱帯感大。温かく雨の多い地域なので、緑が非常に力強い存在感を放っています。海岸線をひたすら北上するコースとあって、満潮時や悪天候時には道がなくなってしまうこともしばしばあるらしく、途中いくつもの注意喚起看板を見かけました。この辺を、トランパーの自己責任にしちゃうとこ、好きだなー。まだまだトランピング駆け出しの私ですが、山は楽しいだけの場所ではないと少しずつ身に染みてきています。でもそんな風に、自然の厳しい面と自分の限界や可能性を織り込みながら進んでいくことこそに、最大の魅力があるようにも感じてます。自然災害を指して、よく「自然が牙をむく」なんて言い方をしますが、自然は常にそこにあり、常に変化するもの。時と場所を選んでとか、何か因果があって牙をむいているわけじゃない。それによって命や財産を奪われてしまうのは悲しいことだけど、恨んだりするのはお門違いだよなぁなんて思ってしまいます。

途中、後発のドライバーのおじいちゃんにおいつかれ、「そんな早いペースで歩いちゃいかん」と、あんたが言うかい!!と突っ込みたくなるご忠告を受けつつ、あやしい雲行きのもとでも十二分にコースを愉しみ、だいぶ体力を温存して今晩のHutに到着。海まで続く芝の前庭を持つHeaphy Hutも居心地抜群です。夕食はカレーうどんとわかめスープ。先輩方のお土産のおかげで、しばらくは贅沢な日本食が続きそうです。加えて、トラックの入り口の町、Karameaに住んでいるという日本人の女性が ご主人と来ていらして、大量に作っていたお握りをおすそ分けして頂いちゃいました。この方、”こんな所に日本人”のTVに出たことがあるんだとか。。。私たち、そんな秘境に来ていたんですねぇ。


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