2013年5月19日日曜日

Great Walks -Routeburn Track- 2nd Day

7:10am 起床
身支度をして、コーヒーを淹れて、山の向こうから白んでくる空を眺める。。。贅沢な1日の始まりです。・・・が、さすが山の中。待てども待てども太陽が現れず、諦めて朝食&ランチの準備。メニューは、リュックの中でつぶれかけたパンを使ってのサンドイッチ(笑)。ま、これも山食のご愛嬌ですな。
結局、小屋からの日の出は9:00amでした。




小屋で見かけたKea(和名:ミヤマオウム)。NZ南島の高山帯の草原や森にだけ生息する大型のオウムです。世界一賢い鳥とも言われており、Wikiには「食物の少ない環境に対する適応として知能や体力、学習能力、好奇心、協調性、適応性が極めて高く、ゴミ箱の蓋を外す、ボルトナットを外す、自転車のタイヤに噛み付いてパンクさせる等、極めて簡単にこなすことができ、集団で協力して様々ないたずらをする(中略)近年では冬期にパン、バター、ファーストフード等の残飯を漁って食べる、スキー場のロッジで飲酒するなどの個体が認められ、冬期には、これら高カロリー食品を簡単に入手できる山岳地帯のスキー場の近傍に営巣するつがいも出現している。」と、絶滅危惧種にも関わらず何だか散々な書かれようです。「キ~ア~」と鳴くのでKeaという名前(笑)。ちなみに、Kiwiも「キ~ウィ~」と鳴くのでこの名前。ニュージーランド人の単純さと言ったら・・・。。。
影は私です☆

9:20am クライムオン!
この日も最高の天気に恵まれてのスタート。小屋を出るとすぐに森林限界を超え、Routeburn Fallsという滝があらわれます。下から見上げると、真っ青な空から白く幾筋にも流れ落ちてくるようで、なかなか爽快です。この先は、しばらく登りが続きます。トラックがそのまま水の通り道になっているところも多く、GoreTexの登山靴に感謝する場面も多々…。山裾をぐるっと回るように進むにつれ、トラックの幅は少しずつ狭まり、所々に霜や雪の残る ややテクニカルな道になってきます。が、ここからがルートバーントラックのハイライト。足場はやや悪いですが、登るごとに視界が開け 景色が変わっていく様は感動しきりです。撮った全部の写真を載せたいくらい、そこかしこが絶景ポイント。






ロードオブザリングの旅の仲間よろしく、5人連なっての前進。ちょうどKasidisが首にリングをさげていて(私には、単語帳とかを括るアルミのリングにしか見えなかったんですけど。何か、大切なものだったんでしょうか。。。)、それを見つけたMaggieが大興奮して、彼をフロド、自身をサムと呼んで、ことあるごとに”ごっこ遊び”を展開。Taisukeも巻き込まれてガンダルフにされてましたが、笑いに厳しい関西人のMegumiは早々にイチ抜けし、私ものらりくらりとかわしてみました(笑)。彼女の遊びにかけるエネルギーには、圧倒されるものがありますね。
  













11:00am Lake Hariss(約10km地点)



美しすぎる湖を見下ろしながらおやつ休憩。
この湖の写真も、パンフでよく見かけます。
ここからもう少し進んだあたりが、このトラックの最高地点、標高1300mのポイントとなります。

11:35am Harris Saddle Shelter(10.5km/1255m)




贅沢な景観の中にあるトイレ完備(さすがにペーパーはありませぬ)の休憩所。宿泊施設ではありませんが、天候が崩れてどうしても進めない、なんて時の、まさに文字通りシェルターなのでしょう。ここでLunchタイム。

12:10pm Conical Hillへ
食後、シェルターに荷物を置き、裏手にそびえるピークへとSide Trip。
が、これが。。。覚悟はして登ったものの、まさに冬山登山!!!
左の写真で見えているこちら側はまだ、多少滑りやすい程度の道で済んでましたが、稜線のむこう側にまだまだ続く道は、ほぼ全面が雪と氷に覆われ 進退窮まれる場所だらけ。冷静に帰りのことを考えると、理性は下山を勧めますが、前を行くTaisukeを見ていると、何だか下りるのは悔しいし、ここまできたら頂上を見てみたいという気持ちも抑えがたい。。こういうのが事故を招くんだよなーと思いつつも足が止まりません。この気候なら勝算の方が高いと見積もって、膝上までの雪との格闘を続けます。

12:50pm Conical Hill Summit到着!(標高1515m)

このイケメンは誰でしょう(笑)。
いやはや、苦労して登った甲斐が十二分にある、感動的なパノラマ風景です。THE世界遺産か、世界の車窓からか、情熱大陸のBGMにのせてお届けしたい☆
最高すぎるやろって。。。
 

山間の、さらに雲の下に見えているのはなんと海だそうな。NZとオーストラリアの間のタスマン海。世界がちっちゃいんだか、デカいんだか、よく分かんなくなってきます。で、まぁ分かんなくていっか、って気分になってきます(笑)。









下りは慎重に…と思っていたんですが、シェルターで留守番中のMegumiが気になって、3人を置いて20分で駆け下りてしまいました。Taisukeに、”忍者かと思った”と言われちまいました。

13:50pm Shelterを出発
ここからは南へ向けて山肌をトラバースしていくルート。アップダウンは少ないように見えて、予定時間をややオーバーした分をリカバーしようと少しスピードアップしたところ、意外に足と肺にこたえます。

しっかし、それにしてもよい天気、よい景色。順調すぎて怖いくらいです。













 山肌を南端まで進むと、一つ尾根を越えて湖が見えてきます。Lake Mackenzie。湖面に映る山が、また素晴らしい。今夜の宿泊先は、この湖のほとりです。














徐々に高度を下げていきますが、なかなか近づかない…。
久々のブナ林に入っていくと、そこはまさにもののけの森。屋久島にも感動しましたが、何というかここはスケールが桁違い。どこまで歩いても終わらない屋久島、みたいな感じです。
Megumiと(というか私がほぼ一方的に)ジブリ談義。頭の中で もののけのテーマ曲がグルグル…。


16:45pm Lake Machenzie Hut (20.1km地点/標高892m)到着
こちらも、50の寝台を完備したきれいな山小屋です。ダイニング2階の寝床は満員でしたが、離れには十分な空きがあり、寝床を確保。蛇口から水が出ず、玄関脇のホースから出っぱなしの河の水を汲みにいかないといけないとか、トイレが少し離れた場所に1つしかないとか、小さな不便はありましたが、まあそんなものかと思えば不便とも感じません。
きっと、人生もそんなもん。何を当たり前と思うか。妥協というのとは少し違って、何を自分の基準とするかを見誤らなければ、貧富とか、善悪とか、人の生活を窮屈にする大概の価値観に、随分大らかになれるんじゃないかと。自分で判断して、自分で決めて、自分で動く。それを繰り返せば、もちろん失敗を誰のせいにすることもできないけど、誰かの声にびくびくしたり左右されたりすることもない。そういうことなんだと思います。
夕食はチーズパスタ。食後にキャンプ用ドライフードのラム。デザートに肉かよ! 興奮した(笑)MaggieとTaisukeが立て続けに湯をぶちまけて、隣のカップルに苦笑いされる一コマも。。。
ボリューム満点、星空満天の夜が、今日も静かに更けていきます。

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