2013年5月6日月曜日

Night Climbing☆ on 04/05/2013

”BenLomondの上から日の出って見えるかな”

金曜の夕食時。香港からの学生Icyの何気ない一言から、その冒険は始まりました。
見えんじゃない?見たいね。見に行こっか? Maggieと私の悪乗りが始まり・・・じゃなくて冒険心に火がついて、言い出しっぺのIcyを置いて(Icyは常識と自身の限界をわきまえたよい子です)急遽、夜の登山へ出かけることになりました。

22:00pm 就寝、2:00am過ぎ起床
簡単な朝食をとり、サンドイッチや軽食、飲み物を準備。ホストパパの寝袋を拝借してパッキング。
3:10 自宅出発、3:20am クライムオン
Friday Nightなので、ちらほらとHomePartyの喧騒が聞こえる中のスタート。心配したほどの寒さではなく、登り始めてすぐに1枚脱ぎ2枚脱ぎ…。ダイソーのミニ懐中電灯を頼りに、真っ暗な山道を辿ります。見上げれば木々の間から降り注ぐような星空。生まれて初めて見る南十字星☆見下ろせばダウンタウンの夜景が少しずつ小さくなっていきます。
4:10am Ben's Peak(スカイラインゴンドラの終着駅)
あまりにきれいな星空を撮ろうと愛用のOlympus Tough君でしばし粘ったのですが、いかんせんデジカメでは無理ですね。水分補給をして出発。森林限界を超えてからは、まさに満天の星空。道が所々凍り始めており やや足元が悪い中ですが、5分以上休憩すると凍えそうになるので、夜道にも関わらず前回よりも随分早いペースです。休憩のタイミングで超キレイな流れ星が!! Wow!!
5:40am Ben Lomond Saddle(尾根。Arther's Pointというトレッキングコースとの分岐点)
ここからは本格登山。前回ほどの強風でないのが幸いですが、やはりしんどい。後半は完全に凍りついた土と、吹き溜まった雪と格闘しながらの前進。
6:50am Ben Lomond Summit 到着
いいペースで登りすぎ、日の出の1時間近く前に着いてしまいました。体感温度は-5℃を下回ると思えるほど。着込みまくり、寝袋にくるまり、雪のない岩場で朝日が昇るのを待ちます。体の芯からシバリングするような寒さも、風の音しかしない静寂も、なんだか心地よく思えるのは、この状況にちょっと酔ってたりもするんでしょうね(笑)。
 
7:42am Sunrise

この風景、2人占めです。あ、正確には2人と1羽占め(笑)。
      
人慣れしている、雀…かな?

8:20am クライムオフ
氷の道。下りの方が数倍恐ろしいです。が、登り始めの太陽が めちゃめちゃ眩しくてきれいです。が、恐らく紫外線もめちゃくちゃ強いです。
9:00am Ben's SaddleにてBlunch

 
Hunger is the best sauce とは言いますが、空腹に加えてさわやかな朝の空気、広大な景色、青い空とくれば、たかがサンドイッチも極上のブランチに変わります。さらに、朝イチで登ってきたというフランスからの若者とお喋り。すでに水を飲みすぎてしまったという彼に水を分け与え、頂上までの道状況などをレクチャー。こういうコミュニケーション、いいですねー。
9:30am Arther's Pointへ出発
前回Ben Lomondを登った時よりも、かなり体力的に余裕があったので、Ben Lomond stationから分岐するもうひとつのトレッキングコースも回ってみることに。こちらの方は、麓から片道7時間以上の道のりになるためか あまり利用者もなく、道もよく整備されているとは言い難い感じです。途中から私有地となるようで、そこかしこで羊が草を食む風景に出会います。ぬかるみや苔、羊の糞と格闘しながらの前進です。アップダウンは比較的少なく、山の腹をぐるっと回るようなコースになっています。
12:00 道をロスト!!
しかし、この”私有地”ってやつがクセモノでした(ToT)。。道がどんどん草に埋もれていき、3時間弱で到着するはずの次のトレイルとの合流点が一向に見えてきません。ついには羊用の囲い策に行く手を阻まれ、行き先を見失います。これが悲劇の始まりでした。MaggiのスマホのGPSでもトレイルは確認できず、目的のArther's Pointが右手に見える巨大な山を越えた先にあることだけを教えてくれています。さて、どうしようか。。この時点で家を出て9時間が経過していました。方向的にはこのままで合っているはず、と 私の動物的勘は告げていましたが、最新機器の提供する情報に異を唱えるほどの自信もなく、疲れた体に鞭打って右方向への登りを開始します。が、1時間ほどかけて2つの尾根を越えたところで、はるか左下方にトレイルらしきものが・・・!! やっぱり合ってたんです。あのまま下っていればあの道にぶつかったんだ…と、歯噛みするけど後悔先に立たず。
中央下方にMaggieの姿が!
そこからはもう、両手両足、生えてる草や岩場を足掛かりに、使えるものは何でも使って崖を下りました。途中からは羊すらいなくなり、代わりにヤギの姿がちらほら。余計に、ここが崖であることを実感させられます。ヤギから身を守るためと思しきトゲトゲの植物と、ガレ場の連続で何度も方向転換を余儀なくされながら、2時間かけてトレイルに到達。水筒の水も、自分の気力体力も尽きかけていたので、いや、もう本当にほっとしました。 

2:30pm Moonlight Trail~Arther's Point
トレイルに出てからも、細かく枝分かれするサイドの道へ入り込んだりと紆余曲折合ったんですが、間違ったと思ったら元に戻る!の教訓を生かし、徐々に目的地へと進行。町からジョグをしながら登ってきたオジサンに遭遇した瞬間は、2人で歓声をあげました。半分本気で、神様に見えました。さらにラッキーなことに、次に出会ったお散歩中の地元のご夫婦に、ダウンタウンまで車で送っていただいちゃいました。(Arther's Pointは山間の小さな町で、そこからクイーンズタウンまではバスで帰らねばならぬのです。)足が棒のようだったので、本当に助かりました。
トレイルに無事生還!!
 
4;50pm クイーンズタウン帰着 
山を甘く見ちゃいけないって、再確認しました。ロストした時は本当に焦ったし、崖を下ってる最中は何度もヒヤっとしたり、このまま下りれなくて今夜ここでビバークするとしたら、水は、食料は、寒さは…とか真剣に考えました。でも、今にして思うと 色んな幸運に恵まれていたと思います。まずは、時間的余裕があったこと。これが、朝出発だったら日のある内には帰ってこれなかった。そして、間違いに気づいたタイミング。あのまま尾根越えを目指していたら、実はその裏側は本当の崖だったんです。あそこまで登っていたら引き返す体力も残っていなかったかもしれない。で、一番の幸運はパートナー。Maggieじゃなかったら無理だったなと。ひたすら広大な山の中で道を見失って、この荷物を背負って行ったり来たりするなんて、変な言い方ですが、普通の女の子じゃ無理だったと思います。Maggieの体力、忍耐力、明るさ、前向きな態度、それらに随分助けられました。そして、自分にも彼女の足を引っ張らないだけの体力、気力があってよかったなと…。出会って2週間の、国籍も違う子と、こんな経験をするなんて、何か人生ってすごいですね。
実は、来週末は2泊3日でトランピングに出かける予定です。Maggieと、日本人の男の子と、フランス人の女の子と。男の子は相当の山男で、行く先のコースの経験者でもあるので、今回のようなことはまず起こりませんが、気を付けて行ってきます。せっかく与えてもらった教訓と強運を無駄にしないように…。 

2 件のコメント:

初恋misa さんのコメント...

私だったらムリだったかも。
素晴らしい景色だね☆
blog、ほどよくみんなに知らせました。

Sato さんのコメント...

Thanks.
英語力でなく、クライミングテクニックと度胸のスペックばかりが上がっていくよ(笑)。