2013年12月28日土曜日

Rob Roy Glacier Track (10/31)

Wanakaの北西にあるMt. Aspiringは、そのピラミッド型の山頂フォルムから”南のマッターホルン”なんて異名を持つ、標高3033mの経験者向け 本格登山ルートですが、その周囲にはもうちょっと気軽に楽しめるトレッキングルートがいくつか整備されています。その中でも最もポピュラーなのが、このロブロイ氷河トラック。往復10㎞弱、3~4時間の日帰りコースです。クイーンズタウンのアウトドアショップで働いている知り合いから以前勧められたことを思い出し、私たちも出かけることにしました。

まずは、ルートの出発点まで約1時間ほどのドライブ。快晴の中、ご機嫌にスタートを切った敗因ですが、これが早々に未舗装道路となり、道幅も狭まり、さらにいくつかの小川をジャブジャブ渡らなきゃいけないようなアドベンチャールートで…。でもまあ、それはそれで楽しみ、景色は360°パノラマ絵葉書の世界の連続で感嘆の溜息の連続です。
既にテンションも心拍数も上がった感じで到着した、雄々しい山々に囲まれたRasberry Creekというかわいらしい名前の駐車場が、トラックの出発点となります。
 スタートしてすぐに青く透き通った急流にかかる吊り橋を渡り、道は山へと入っていきます。渓流沿いを行くルートだと思ってなめてましたが、これが意外に登り続きのしんどいコースで…。慢性膝痛の私はエミにどんどん水をあけられてしまいましたが、登るにしたがって表情の変わる川や森、少しずつ迫ってくる雪の頂に励まされつつ、次の1歩、また1歩。。。

途中、”えっ!?これ登るんすか??”という地滑り箇所なんかもあって、それでもクローズにしないとことか、ホントNZ大好きです。出発から3㎞ほどのところに一つ目の展望地点がありますが、もちろん私たちはさらに1㎞先の最終展望地点を目指します。

そして、たどり着いた先にはそそり立つ崖とその上にのしかかる氷河、流れ落ちる滝…。自然が作った力強すぎる景色を2人占めして、エミがリュックに隠し持ってきたビールと共にランチタイムです。
ロブロイ氷河は氷河期に形成され、約2万年前のピーク時には、ここまで歩いてきた谷はもちろん、車で通ってきた牧草地帯のさらに先まで覆っていたと言われています。氷河の減少は、地球温暖化のせいと一概には言えなかったりもしますが、この後退のスピードはちょっと異常のような気もしますよね。
 
帰りは同じ道をさくさくと下り、羊たちとしばし戯れ、再びのオフロードアトラクションを経てワナカの町へ。途中、カードローナホテルというゴールドラッシュ時代に建てられた歴史あるホテルのバーで休憩し、そこから約3週間ぶりにクイーンズタウンへ帰還。久々のMomoちゃんの手料理ディナー♡1週間の居候生活スタートです。

2013年12月27日金曜日

Drive to Wanaka (10/30)

Vanished World Fossil Trail
なんとも大層なネーミングですね…。モエラキボルダ―に代表されるように、オアマル周辺は太古の地形が露出した独特な景観が多く見られます。この辺りはかつて海中にあり、それが長い年月をかけて風化し露出したため、クジラやサメ、甲殻類の化石が多数発掘されています。それらの化石ポイントや壮大な奇岩群が見られるエリアをつなぎ、トレイルとして観光客を呼び込もうという魂胆なんでしょうが、何せ範囲がかなり広いので車がないとかなり非効率。どのポイントに行っても私たちの他には数組しかおらず、ゆーっくりと回ることができました。車旅の特権ですね☆

Waitaki Gorge
広大な牧場の中に露出した風化した岩壁、といった感じですが、ここも太古の地層がみられるポイント。車を進めるほど新たな景色が目の前に現れます☆
 

Elephant Rocks 
『ナルニア国物語』のロケ地となったことで一躍有名になった場所。2400万年以上前に海の中で堆積した石灰が硬化、300~200万年前に地上に隆起し、風や雨などに削られて現在のような奇怪な形に変化したという歴史の持ち主です。人の3~4倍ありそうな奇岩がゴロゴロする中、牛がのんびり草を食む…。そもそもこの土地は私有地で、そこをタダで一般開放しちゃっているという商売っ気のなさ(笑)。
 
Fossil & Geology Museum


ひたすら続く牧草地の真ん中のDuntroonという小さな町の小さな博物館。おばあちゃんが一人受付にいて、展示物の解説やお土産の販売、希望者への化石発掘のプチ体験のお世話を一手に引き受けてます。…というほどお客もいないですが(笑)。化石好きの身としては$7.5払ってでも見学させていただきます☆ この辺りで採取された古代のクジラやサメ、皇帝ペンギンより+30㎝、体重はほぼ2倍だったと予測される巨大ペンギンの化石、生態が紹介され、この辺りの地質や採取される石材などが解説されています。数こそ多くないものの、十分に興味深い内容でした。

Maori Rock Art

道路わきの岩壁に描かれたマオリの人たちの古い壁画。おそらく、数百年後に“Art”なんて大々的に紹介されるなんて思わずに、暇つぶし程度の気持ちで描いたんじゃないかと思われる壁画ですが、“歴史的価値”が付与されると落書きも芸術です(笑)。一部は岩ごとごっそりとはがされ、どこぞの美術館に出張中。そり建つ岩壁は、今では鳥たちの巣として大活躍しています。 
 
化石トレイルが終了したあとは、ワイタキ川沿いにハイウェイを上がっていきます。この川にはいくつかのダムがかけられていて、表情の異なるダム湖の風景を楽しみながらのドライブが楽しめます。私たちも、何度もハイウェイを脱線しては、ダムの真上を走ってみたり、誰もいない湖畔でランチ休憩をとったり、放水の真っ最中の岸部近くまで侵入してみたりと、車旅ならではの自由さを満喫☆




ちょっとパノラマがずれましたが、壮大なスケールのダム放水でした☆
Wanaka
クイーンズタウンの北70㎞ほどの場所に位置する、ワナカ湖に面した小さな町、ワナカ。夏はトランピングのメッカであるMt. Aspiringへの登山口として、冬は近隣のスキー場のベースタウンとして賑わうアウトドアタウンです。
横市の皆様がいらっしゃるまで時間的余裕があったので、この町でもうひと遊びしようということで、この日はここに1泊。日暮れまでまだ時間があったので、Mt. Ironという町はずれの山へハイキングへ。ウサギや羊を眺めながら、つづら折りの道を登ること40分。眼下には青く光るワナカ湖と、その向こうに冠雪の山々という絶景。明日は、その山のひとつに出かけます。

2013年12月26日木曜日

Oamaru (10/29)

ダニーデンの北115㎞の場所にあるオアマルは、良質の石灰岩がとれることから19世紀後半に大きく成長した町。NZ各地の名だたる歴史的建造物に使用されてきたオアマルストーンは、この町の中でも多く目にすることができます。
…という程度の前知識で、ダニーデンからカイコウラへの中継地として選んだオアマルでしたが、これが思いのほか素敵な町でびっくり。当初は1泊で次へと移動する予定でしたが、車の調子がちょっとおかしかったのもあり、修理・点検に出しがてら2泊して楽しんでしまいました。
 オアマルストーンを使ったビクトリアン建築の多くは、港近くのストリートに集中しており、ゆっくりと徒歩で回ることができます。一昔前には倉庫やホテルとして使われていた美しい建物たちは、現在ではギャラリーやカフェ、小劇場などに用途を変え、今なお現役で活躍しています。センスのいい雑貨を所狭しと置くギャラリーや骨董屋を覗くだけでもかなり面白いですが、当時の装いで町を歩き、記念写真などに応じてくれる愉快な人達もいて、街全体がテーマパークのようです。
地球の歩き方に3Pほどしか割かれていないのが、大いに疑問。もっと広報に力を入れた方がいいんじゃないかと思ったりしますが、こののんびりした雰囲気が この町をより魅力的にしている気もしますね。
YHAの猫も、この通り(笑)。

昔は、その先端まで電車が通っていたという古い桟橋は、地元民たちのお散歩コース。太陽に映える青い海の美しさは、言葉にするのがもったいないほど。。。


Oamaru Public Garden
バッパーで知り合ったギリシャ人のオジサンと一緒に出掛けたのは、市内に広がる22ha.の公園。1876年に造園されたという敷地内には、バラ園や噴水、温室などがあり、小川には日光をイメージしたという朱塗りの橋まで(笑)。整備と手入れのよく行き届いた園内は、荒々しい山歩きに慣れてしまった私たちには何だか物足りない部分もありますが、まあ散歩にはぴったりな感じで落ち着きます。

Moeraki Boulders
オアマルの南40㎞にある海岸。ここには、まるで巨大な恐竜の卵のような岩がゴロゴロ転がっており、不思議な景観を生み出しています。マオリの伝説では、”沖に沈んだカヌーから流れ着いた食料のカゴ”なんて言われているようですが、直径1m以上、重さ2tの重量感は”カゴ”と形容するには無理があるような…。実際には、海底に沈殿する化石や骨のかけらなどに、海中の鉱物の結晶が均等に付着して凝固。それが6000万年継続してこの大きさになり、かつて海底だったこの場所の地形が変わり、この海岸に姿を現したんだそうです。いやー、壮大な地球のイタズラです。


車の修理やら、モエラキまでの運転やらでお世話になったMazへのお礼ということで、夕飯は元寿司ガールSatokoがCanada仕込みの寿司を振る舞い、ついでにお好み焼きもつけての日本食ナイトでした☆