2013年12月1日日曜日

The Catlins Coast (10/25-26)

Hump Ridgeの3日間をはさんでテアナウの町に帰ってはみたものの、天候は相変わらずはっきりしないままで、ミルフォードへアクセスするためのボートも運行開始の目途は一向に立たず…。これ以上待っても夏季シーズン突入までにミルフォードトラックへの挑戦は無理だろうという判断で、後ろ髪ひかれながらも予定を変更。そこら辺は、自由なるワーホリの旅☆ってことで、次なる行先は東の海、ケイトリンズとしました。

The Catlins Coast
南島の南東の海岸線付近を指す地名。2000㎢近い土地(大阪府くらい)に1200人程度しか人が住んでおらず、ペンギンやアシカ、オットセイの暮らす美しい海岸線、小規模ながらも希少な鳥たちの住処となっている多雨林など、手つかずの自然が残された貴重な土地です。また、あちこちに高い波に恵まれたビーチがあり、夏にはサーファー達が訪れる長閑なリゾート地でもあります。

10/25 Te Anau → Owaka
 テアナウ付近こそどんよりと曇っていたものの、東へ進むにつれて青空が広がり、予定変更は間違っていなかったと確信しながらのドライブです。ただ、風だけはべらぼうに強い…!!

Waipapa Point
ケイトリンズ沿いの海は古くから荒海として有名で、船の事故が絶えなかったそうですが、中でも最大の惨事となったのが151人の乗組員のうち20人が死んでしまったという1881年に起きた遭難事故。これを受けて1884年に建てられた木製の灯台が、未だ現役で働いている岬です(1976年から機械制御化)。そんな悲しい歴史を持ちつつも、現在観光客を呼んでいるのは(呼んでいるといっても、この時に訪れていたのは私たちを含めても10人に満たないくらい)、灯台よりもSea lion(アシカ)のコロニーの方。見れたらラッキーだねーと言いながら海岸線に向かうと、まああっちにもこっちにも普通に…。日本では考えられない光景。ほんの10m先に、アシカ! 人の出現を驚く風でもなく、のんびり昼寝を続行中です。

Slope Point
Kiwi達は何かと最上級がつくものが大好き。一番深い湖、一番長い橋、一番古い灯台、一番急な坂、一番長い地名…。それだけで観光名所にしちゃう、なっちゃうお国柄です。で、ここは何の最上級かというと、The southern most point of the south land―南島最南端の場所ってことらしいです。せっかくだからと行ってみましたが、車から歩き出した1分後には来たことを後悔するほどの強風!! ケプラートラック以来の、まっすぐに進めない横風を体験。牧草地の先にポツンと建つ”最南端”の看板と記念写真をして、そそくさと車に逃げ込みました。(といっても、片道20分↓)
ひたすらの未舗装道路
車より牛優先の交通ルール
夏にはサーファーが訪れるビーチ
 Curio Bay
多分、わずかな人にしか反応してもらえないであろうポイント(笑)。1億8000万年前(ジュラ期)のものとされる化石化した巨木群が干潮時に姿を現すという、私としてはかなりわくわくする場所です。火山の泥流に流された木々の細胞組織の中に、地層からかかる圧力によってケイ酸を含む地下水が入りこみ、それが二酸化ケイ素という物質に変化することで硬化し、樹木の原型を変えずに化石化したんだそうな。同種のものとしては世界でも最大級で、学術的にはとても貴重なものだそうです。といいながら、土足でガシガシ入れちゃいますけど。そしてここも、絶滅危惧種であるイエローアイドペンギンのコロニーとしても知られ、早朝や日の入りの時間帯には海に出入りするペンギンの姿が見られるとか。この時間は残念ながらダメでした。

McLean Falls
駐車場から15分ほど歩いたところにある落差22mの滝。規模的に圧倒されるという種類の見どころではないですが、ジャリ道運転に着かれた体には丁度良いリフレッシュタイム。たった15分森に分け入るだけですが、このあたりの鬱蒼とした多雨林の雰囲気を垣間見ることができます。中高年の観光客の皆様も車を置いてお散歩を楽しんでおいででした。

Purakaunui Falls
落差こそ20m程度ですが、かなりの水量で3段に落ちていく様はなかなかの迫力です。ケイトリンズを代表する景観の一つで、過去にはNZの切手のデザインにもなったことがあります。たまたま他に人もおらず、原生林に囲まれた幻想的な雰囲気を2人占めです。

その後は長閑な牧草地帯を越えてゆき、本日の宿泊地Owakaに到着。予約したYHAは冬期営業をしておらず、丁度この日から営業を再開したというドンピシャのタイミング。…が、この辺りもさすがNZというべきか、今日に向けてオープン準備をするのではなく、今日オープンさせて少しずつ整えていくという方針のご様子で、ドアベルも鳴らない、ネットの電源も入ってない、ホットシャワーも一部しか通じていない、という状況。スタッフのおばちゃんも、その日の午前中にクライストチャーチから着いて、鍵を開けたばかりだとか。まあ、宿泊者も私たちとおば様がもう一人だったので、何の問題もなかったですが(笑)。

10/26 Owaka → Dunedin
Jack's Blowhole
海岸線から200mほど内陸に入った所にぽっかりと口を開けた巨大な縦穴。波の浸食によってできた地下洞窟の天井が、そこだけ抜け落ちたためにできたんだとか。深さ50mの底を覗き込むと、波が打ち寄せているのが見てとれ、ちゃんと海とつながっていることが分かります。幹線道路から10㎞以上未舗装の道を行き、さらに片道20分ほど歩かなければいけませんが、まぁその価値アリかと。

Tunnel Hill
NZ南部における製材業の発展と共に、1879年から1915年にかけて開通した全長70㎞の鉄道Catlins River Branch。その線路が通っていた246mのトンネルが通る丘がこう名付けられ、鉄道が閉鎖した今ではお手軽なウォーキングトラックになっています。驚くべきは、重機をまったく使わずに、つるはしとシャベルと手押し車だけで完成させたという点。
林の中にぽっかりと口を開けた古ぼけたトンネルは、”千と千尋の神隠し”で千尋たちが迷い込む世界への入り口さながら。真っ暗な中、ヘッドライトの灯りを頼りに進みながら、人の手で作り上げたすごさと、たった40年でここまで荒廃してしまうものかと自然の回復力のすごさを思ったり…。

Nugget Point
ケイトリンズの北端に位置する、景勝地として有名な岬。突端には灯台が建ち、周囲を切り立った小島に囲まれています。この小島が塊金(ナゲット)に見えることからこの名がつきました。海鳥やオットセイのコロニーが形成されており、陸地である岬は保護指定を受けていますが、海洋の保護指定をめぐっては地元の漁師達と政府との折り合いがつかず、追いついていないそうです。ここも、未舗装のワインディングロードを数㎞走り、最後の1㎞は徒歩アクセス。それでも、これまでのケイトリンズのいくつかの見どころに比べると、かなりの人出です。

近くのビーチでフィッシュ&チップスの簡単ランチを済ませ、油っこくなった体をお散歩で少しリフレッシュ。
さらに北上を続け、この日のお宿はDunedin(ダニーデン)です。

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