2013年5月18日土曜日

Great Walks - Routeburn Track - 1st Day

8:00am Queenstown
バスの最少催行人数が4名ということで、1人は ちょうどその日に近くまで釣りに行くという友達の車に乗せてもらうことにしており、これで1人分の往路交通費を節約。ダウンタウンからのピックアップは、とりあえず4名です。途中、ロードオブザリングのロケ地解説が入り、こっちの山で旅の仲間が雪崩にあうシーンを撮ったとか、こっちの丘でオークとの戦争シーンを撮ったとか、クイーンズタウンの人口だけじゃエキストラが足りなくて軍隊を連れてきたとか、でもその時ぼくはワインを飲むのに忙しくてねとか、片道1車線を恐ろしいスピードでぶっ飛ばしながら、Driverが喋ってくれます。相槌を打ちつつも、きちんとシートベルトを締めてあまり前は見ないようにしてました。

8:45am Glenorchy
クイーンズタウンから45km、ワカティプ湖の北端に位置する、人口500人弱の小さな町。豊富なトレッキングコースを筆頭に、カヤックやカヌー、乗馬にスカイダイビングなど、多様なアクティビティの発信地。また、ロードオブザリングはもちろん、バーティカルリミット、ナルニア国物語、X-menなどのロケ地にもなった所。早く着きすぎてinfoセンターが開いていなかったので、唯一オープンしていたカフェでたっぷり20分の一休み。かわいそうに、Maggieはあの激しい運転に耐え切れず車酔いしてました。

9:40am Routeburn Shelter (0m・標高477m)着
トレッキングの始点です。30台ほどの駐車スペースと、屋根付き休憩所、トイレが完備されてます。草木には真っ白な霜が降りていましたが、空は快晴!
そんな天気のおかげか、シーズンオフだというのに結構な数のパーティor単独行のハイカーが出発していきます。寒空の下、Taisukeの合流を待つこと1時間、途中で拾ったというヒッチハイカー2人を伴ってようやく待ち人が到着し、全員集合です。

10:50am   いよいよ3日間のグレートジャーニーに出発!!

トラック序盤は、進路を西に、底まで澄み切った渓流に沿って アップダウンの比較的少ない苔むすブナ林を進みます。この辺りでみられるのは、日本のブナとはちょっと様相の異なるナンキョクブナ属(Nothofagus)で、大きいものでは樹高30m、樹幹2mを超えるものもある常緑樹です。代表的なものに赤ブナ・銀ブナ・山ブナなどがあり、低山から高山にかけて変化していきます。葉の大きさや形によって簡単に見分けることができます。
トラックには、2~3時間程度の間隔で簡易トイレが設置されていたり(水洗ではありませんがペーパーは完備!)、河や沢には立派な吊り橋がかけられていたりと、整備は万端です。その内の何か所かはちょうど、架け替え工事中で、頭上を何度も資材をぶら下げたヘリが行き来していました。こういう尽力のおかげで、快適なトランピングが可能になるんですね。感謝です。






12:00 Lunch☆
河を見下ろすトラックの脇で昼休憩。作ってきたサンドイッチです。
と思ったら、もう少し歩いた先に こんな開けた素敵な場所があるじゃないですか!! ここにすればよかったー。ってことで、ここでもおやつ休憩。
少し辺りを歩いてみると…野鳥発見!
ありきたりなカモに見えますが、Paradise Shelduck(和名:クロアカツクシガモ)というニュージーランド固有種です。鳥類としては珍しく、白い頭のカラフルな方がメス、黒っぽい方がオス。常につがいで行動し、生涯同じパートナーと連れ添うのだそうです。ペンギンと一緒ですね。
もともとNZには鳥にとっての天敵が少なく、10世紀に人間が入ってくるまでは、鳥がこの島国の唯一の哺乳類だったというほど、言葉通り鳥の楽園だったのです。それ故に、kiwiなどの飛ばない鳥が進化したんですね。

14:00pm Routeburn Flats Hutとの分岐点(6.5km地点/標高690m)
ここから やや勾配がきつくなります。多分、ルートの中で最もきつい登りです。5人で分担しているとは言え、3日分の食糧やら防寒具やらで荷物は10kgを越えています。初日はずっと森林限界の下を進むので木陰の中ですが、それでもどんどん汗ばんでくる程度には、よい運動です。途中、Taisukeが休憩場所にカメラを忘れてくるというヒヤリハットがありましたが、取りに戻る途上で、忘れ物に気づいた別のハイカーが走って届けに向かってきてくれているのに出くわし、事なきを得ました。反対方向へ進んでいた人だったのに、本当に親切&体力おバカなKIWIです。

途中、1994年に起きたという大規模ながけ崩れ跡を通ります。幅100mほどの山肌がごっそりと剥げていて、その部分だけぽっかりと空が大きい。ここから見渡せる切り立った山々(Humboldt Mountains)と、これぞ扇状地(Routeburne Flats)、という美しい風景は、ルートバーントラックを紹介するパンフレットによく使われています。それにしても、砂防堰堤を作るなど大きな土木工事をした形跡などまったくないあたりが、がけ崩れも、河の氾濫も、起きてしかるべき、というKIWI達の自然観を物語るようで小気味よいです。人間様の都合で山の形を変えるなんて傲慢なことは、思いもよらないんでしょう。

15:30pm Routeburn Falls Hut(8.8km地点/標高972m)
最後の急坂を日本の伝統遊戯”しりとり”で乗り切り、本日の宿泊ロッジに到着。キッチン&ダイニングエリアと、48の寝台(厚手のマットレス付)がある寝室エリアとに分かれており、山小屋というには立派すぎる佇まいにカルチャーショック。富士山の山小屋に比べて、雲泥の差の居心地の良さです。途中、写真&おやつ休憩をいっぱい取ったので 他のハイカーに随分と追い抜かれており、寝床の空き状況が心配されましたが、何とか5人分を確保。先着のハイカー達が暖炉に火を入れてくれたおかげで、キッチンは十分に温かく、お茶休憩後にゆっくりと夕食準備。今夜はカレーうどんです♡楽しいですね、こういうの。中学生以来でしょうか。まぁ中学のキャンプも、No水道水、Noガス、No電気、Noトイレという超サバイバルな代物だったので、むしろそれよりは文明的かもですね(笑)。徐々に暮れゆく空、最後まで存在を誇示しようと頑張る山の稜線、それらを眺めつつろうそくの明かりで食べる、闇鍋風カレーうどん。美味しかったですねー。。Maggieが隠し持っていたウォッカのおかげもあって、気分は最高です☆
他のWebページからの引用。
こんなに明るくなかったですけど、
これくらいきれいでした。
食後は、Hutの裏手の開けた岩場にみんなで寝転んで、amazingな星空を満喫。ラッキーなことに そこまで冷え込んではいなかったので、着込めば1時間くらいは外にいられました。天の川はもちろん、星座が分からなくなるほどの、まさに散りばめたような星空。グランドキャニオンサイドの牧場で見た星々と、負けずとも劣らずのダイナミックな夜です。

21:30pm 就寝 
とはいえ、下のおじさまの規則正しい鼾にやや悩まされつつ…。
でも、$90の寝袋で快適に眠れました♡

2 件のコメント:

のりこ さんのコメント...

かつーん!!

かつーんの文章力に感動してます。
まるで自分も一緒にその場にいるような感覚に襲われるぐらい表現力がありすぎ!
この先も楽しみにしているね!!

Sato さんのコメント...

恐れ入ります。年々衰える記憶力なので、忘れない内に記録しておかないと(笑)。
お暇な時に覗いていただき、広い空と澄んだ空気を感じていただければ幸いです♡